話題あれこれ

10月24日

「恋文」の波見まゆさんの本を紹介致します。


「鵠沼」
  鵠沼を含む9編の短編小説集
発行 本坊書房
発売 堂成社
定価 1600+税

7月14日
恋文 合評並びに講評会と親睦の集い


日時 9月11日(日)午後2時より6時まで
懇親会はその後
場所 神奈川労働プラザ

【合評と講評の対象作品が決まりました】
   添田ひろみ  ★2004/3「日曜日」
   波見まゆ   ★2004/9「マニキュア」
   永井蘭子   ★2005/2「リップサービス」
   名鹿祥史   ★2005/3「妻の眼差し」
   小城伊津子  ★2005/3「海」
   酒井ひでゆき ★2005/5「観覧車のある町」
                     以上の6作品です。

 つきましては、事前に対象作品に対してご意見ご感想を頂きたく、簡単な説明をさせて頂きます。
 どうぞ下記のような具合にご記入の上、8月25日までにご返信頂きますように、お願い申し上げます。

 これは、当日の時間の節約のためでありまして、真に申し訳のないことです。
 宮原昭夫氏の講評に時間をなるべく多く頂くための、準備の一つでありますが、当日も合評の時間をなるべく多く取りたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 ご記入頂きましたものは、まとめて皆様にもお配りいたしますので、参考になさってください。

 今更のことですが、合評は自分のためのものですから、読むことへ集中くださいまして、作者への表面的なお心使いで終わることのないようにお願い申し上げます。感じたことや、考えたことを飾ることなくお書きくだされば幸いです。

 と、いろいろ書きましたが、書き方は各自の自由です。それぞれのお考えで結構です。ですので、下記のように書いて頂ければいいのです。

作品名「・・・・」について
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・
作品名「・・・」について
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・〜

 という具合に、6作品についてご意見ご感想を頂きたいのです。
 ご自分の作品についても、何か書きたいことがあれば書いてください。
 長さは、特に規定はありませんが、1万字を超えたりすると、まとめづらくなりますのでご勘弁ください。

 作品は、参加する全員の教材だと思ってください。
 大変なお手間をおかけしますが、皆様の合評と、宮原昭夫氏の講評をお楽しみに。
 合評講評後に、書き直しを希望される方には、さらなる企画をご用意いたします。

宮原昭夫ホームページ すりきれ
2005年7月

3月20日
2005 藤沢市民会館 桜まつり
桜の宴 コンサート

 

授乳

村田沙耶香の第46回「群像新人賞優秀賞」受賞作品「授乳」が、2月28日に講談社から出版されました。「コイビト」「御伽の部屋」を収録。

 私のブラジャーはすこし色あせた水色で、
 レースがすこしとれかけている。
 私はそういうぞうきんみたいなひからびたブラジャーに
 なぜか誇りを感じている。
 まだ中学生とはいえ、自分の中にある程度腐った
 女があることの証明のように思えるのだ。(本文より)

1月21日

わいわいがやがや「長屋の初詣」

 楽しかった。とかく騒がしい長屋の初詣は、喧嘩もなく、乱闘もなく、鼻血出す人も、救急車を呼ぶ人も当然出なくて、お腹壊している人はいたけれど、ともかくみんな、またねまたねとにこにこ解散したのです。安心して読んで頂けるように、最初に書いちゃいました。

 さて、1月10日の朝はなんだか暖かくていいお日和なのです。雨男のご隠居に、寄ってたかって強引に晴れ男や女が、雨の衣をはぎ取ったという感じなのです。ご隠居はしごくにこにこ。当然ですわ、傘持たなくともいいんだから。で、思うに、なんだかんだ言いつつも、長屋の行事はここのところいつも晴れ。これはどうしたわけなのか・・・このごろ、ご隠居自身が晴れ男なのではないかと疑うのね、なんか「地上の太陽、自ずから光を発し、天の太陽を呼ぶ」みたいな。で、私たちは集合場所で、空を見上げては「いいお日和で」とか「まっことよく晴れましたなあ」とか「よくよく晴天を念じました」とか言い合って、400メートルハードル競争の、ハードルを二つ越えたような気持ちになるのでした。もう一つは、集合場所まで無事に到着したこと。

 というのは、ご隠居は膝の調子がいまひとつなので、ゆっくり歩行が大切。集団行動が下手なのは物書きの宿命。言いたい放題のわがまま気まま。10人いれば100メートル、20人いれば200メートルのだらだら歩きに決まっているのです。目的地で集合するのが一番いいのです。というわけで、集合場所は「江ノ島サムエル・コッキング苑(旧植物園)入口前の広場」。
 ここなら広いし、ベンチもあるし、サザエも焼いていて、磯辺餅もある。さらに、猫がたくさんいて、人待ちをするにはいい場所なのです。事前連絡の遅れてくる人たちを別にして、全員集合。遅刻若干名。うち、ご隠居、すりきれと打ち合わせしていて遅刻。
「いやあ、あけましておめでとうございます」
 無事に巡り会った恋人同士のように、お目にかかれたのを喜んでそれぞれのここまでの行程なんかを話す。エスカー組多数だけれど、徒歩できた人もあり、舟で来た人もありでまず集合できてよかったね。

 点呼を取って、その場で、手渡す短冊3枚ホチキス止め。鉛筆も、季語集もお貸しします。はい、はい、みんな持ちましたかあ、短冊。ここで句会の説明。気がついた人もいて、「これって吟行ですか」。
 違うのね、長屋の初詣のアトラクションの句会。だから、いいの、下手なの。下手がいいの。どうしても下手がいいの。下手じゃなきゃいけないっ、お正月なんだから。と説得すれば、横からご隠居、「3句は多いんじゃないの、1句でもいいのよ、ねっ」と言うが、1足す1足す1は3だから、3句にしてください。と言い張ると、太陽にきらりと光る銀色のホチキスの針。目も眩んで、全員息をのむ。
 下準備でこれをとめていたのは昨夜といっても、もう今朝方のことだった。力が入りすぎて、ホチキスの針なんかぐちゃっとなっていて、見ただけでも文句を言わせないという形になっていた。

 猛烈な反対意見はなく、何となく各自握りしめている短冊。不届きものが捨てたりするといけないので、目配りもしつつ、奥津宮への移動となる。奥津宮へ健筆と健吟とそれから普通のお願いもする。途中の銭洗い弁天で洗ったお金は使わない。この時点で、参加者は18名。記念撮影をする。お日様に愛されすぎてなんだか怪しい記念撮影。何人いるのかわからない。いいの、記念撮影なんかしたことないんだから、我が宮原ホームページ、長屋のご一同様の記念写真はこのくらい怪しくなくちゃ。


 

 みんなきりっとなったところで、しばしの吟行タイム。ご隠居の心配をよそに、みんな指を折ってます。すっかり吟行ご一行様です。

見守るご隠居。

 午後1時、お腹もすっかりすきました。ここで、お食事処へ移動。個室を用意して頂いたのに、どうも、おさまりきれない人数になり、どかあんとお店の真ん中に机をずらりと並べて頂きました。「魚見亭」は下見でおじゃまして、すっかり気に入ってしまい、句会もいいですよ、という暖かいお言葉に甘えて、さらに、こっちの方がいいの広くって、と場所まで変えて頂きました。ここで、人数は20名に。充実の大宴会へと突入したのです。

 各自お食事を頼み、みんなでつまめるものを頼むと、とりあえず新年の乾杯。すかさず、ご隠居がさらなるアトラクションの提案。それは一見なんでもないことのような自己紹介と一気飲みの合体のようなものなんだけれど、「お通り」というそうです。これは沖縄の宮古島辺りの宴会のやり方だそうで、本当は句会の事務方がいろいろ準備している間の余興としてご隠居が考えてきたらしいのですが、ビールを見たとたん、もう始めちゃう事にしたらしいのです。ご隠居が言い出したから、誰が反対なぞするものですか。ははぁっ。

 まず、自己紹介をします。その後、コップに注がれたビールを一気飲みして、次の方へコップを回すというやり方なのです。
「とても一気飲みなんかできません」とか「隣の方の唇が気になる」なんてことは、長屋では認められなくて、でも、特別ルールとして「どうしてもどうしても、どどどうしても」の方のために、自己紹介の後、自分の代わりに一気飲みを引き受けてくれる人を指名するということが許されたのです。そこで問題が提起されました。
「あのう、頼まれてもことわっていいでしょうか」
 ご隠居はしばし考えて。
「人望がないのでしょうか・・・むにゃむにゃむにゃ」
 もう、誰も断れない。むにゃむにゃむにゃ・・・だもの。

 で、驚くことに「一気飲みなんか・・・」とさざ波のようなつぶやきが漏れていたのは嘘のよう。腰に手を当てて、牛乳を飲むがごとく。あるいは、両手を添えてつつつつつと白いのど仏も動かさず。まったく見事な飲みっぷりは、長屋のただごとではない面々の片鱗をのぞかせたのでした。一周する頃には、なんと、俳句の提出時間に。投句締め切りともいうのね。でも、そんなこと言っても通じないの、長屋の面々。で、突然、水を打ったようになり、しばし、沈黙。鉛筆の走る音と、転がす音。舌打ちの音と、含み笑い。怪しい。時間をかければかけるほど怪しくなるので、押し頂きつつ、ひったくるように短冊を集める。
「ご隠居、でましたかあ、だしましたかあ、ちゃんとでましたかあ」
 と、叫びつつ、見回せば、面々はなにやら自信ありげ。いいのよね、下手なんだから、と鼻息も荒い。はい、下手でなければなりません、と重ねてお礼を言う。
 
 手分けして手伝って頂き、模造紙3枚に59句が書き移される。
 20名で59句!
 さすがである。長屋の面々は侮れない。ご隠居でさえ、感嘆のため息。ふふふ、模造紙に引いた60本の罫線は無駄ではなかった。にらんだとおりだ、面々侮るなかれ。筆を持たせりゃ、なんだってする。千字万字を操る怪しい方々なのだ。

 すかさず、選句にはいる。ここは気合いで重々しく、特撰1句と選8句の合計9句を選んでくださいと告げる。ええっ、そんなにいっぱい選ぶのお、と戸惑いの声上がるも、多い方が選びやすいし、選ばれやすいしい。
 時間は20分。またもや、沈黙の海。なんと見渡せば、魚見亭の方々も腕を組みつつ、選句中。向こうのお座敷のお客様も選句中。そりゃあそうだよね、もう、どうだあ、これでもどうだあ、とばかりに模造紙は真っ白に輝き、そこには寿ぎの名句迷句瞑句がずらりと並んでいるのだから。
 選句用紙を回収する。最後となったのはご隠居。握りしめた選句用紙を無理無理奪うと、案の定、ぐちゃぐちゃに書き込まれている。迷った証だ。消しては足し、捨てては拾い、全然減っていないじゃん! 慈愛の心を見る思いなれど、やっと減らして頂いて。

 特撰は2点、選は1点という具合に点を足していって、集計しました。そこでさらなる問題が・・・どうも、自分の句を忘れちゃった人(恥ずかしすぎて言い出せないのかも知れぬが)がいて笑われる。しかし、集計してみるとそれだけではなく、座敷童が出現していたとも考えられ、なにかうれしい。そういう怪しいことがあって、名前のない句が出ちゃいました。さらに、段取り上、点の入らなかった句は作者の名前を聞きませんでしたので、こうして記事にする段になって、めっちゃしまったわ、と頭を抱えましたが、まあそうしたものが長屋です。ぜんぜん大丈夫です。そのまんま行きます。だから、ちょっとおかしくとも気にしないでください。

 「長屋の初詣 江の島 魚見亭句会」
こちらをクリックしてダウンロードして閲覧してください。)
(Macユーザーの方はここここをクリックして閲覧してください。)

 集計後高得点の人から順番に、自分で俳句を詠むのね。ますます静かになって、みんな聞き惚れる。賞品は長屋のタンスやご隠居の引き出しの中にあったものなのでした。賞品はご隠居から授与。

 ご隠居へはご隠居代理ですりきれが。これは中身を公表します。チョコラBB3本。その朝冷蔵庫の中から持ってきたもの。

 遊ぶというのはこういうことだわ。長屋ですもの、風流だってこんなににぎやか。冷たい風が吹き始めた中、一同はだらだらと坂を下って江の島を後にしたのです。江の島大橋を渡れば、富士は夕日に冴え冴えとして、まったくめでたく楽しい長屋の初詣なのでした。



                           報告 すりきれ

 当日は至らないところがたくさんありました。それを影になり助けて頂きました。また、いろいろ教えて頂きました。たくさんの手が模造紙を支えてくださいました。ありがとうございました。

 

1月2日

緊急!!
「長屋の初詣」下見報告!

年もぎゅっと押しつまってにっちもさっちも行かないくらいの年末の12月28日の事です。
宮原昭夫ホームページの二度目のオフ会ともいえる(一度目のオフ会は真夏の「ゴーヤチャンプルバトル」)今回の企画は、にぎにぎしくも奥ゆかしく「長屋の初詣」と題して、2005年1月10日に行われることになり、その下見に出かけたのでした。
参加者はご隠居とお連れ合いの青子さん。ご隠居にこぶと呼ばれ続けて、そのたびにパンチをくれている孫の美波ちゃん。それに、横浜文学学校の若旦那こと塚田さんと私すりきれの5名。雨男のご隠居なんかへのカッパの晴れ男の塚田さん参加で、よいお日和になりました。
ところが、久しぶりにご隠居にお会いしてみて驚き!
ご隠居は右の膝に痛みがあって水を抜いたりしたばかりとのこと。痛いのと聞くと、痛いのと応える。青子さんいわく、猫になっちゃったみたいなの。痛いから横になるでしょ、そして直ぐ寝ちゃうの。一日寝ちゃうの。あーん、それで今日はどどどうするのじゃ。
なんと、江ノ島はちっちゃくても山ぞ。
でも今日はすごく調子がいいからというものだから、疑い深い目つきになりながら、よーく観察することにする。どうしても、背中のリックは手放せないらしく、ご隠居は背中の書斎を背負ったまま。青子さんの車で、江ノ島の駐車場へ。
青子さんもプリントアウトした江ノ島案内。あははは、同じの私も持ってきましたあ。で、若旦那はことのほか江ノ島には詳しく、つい最近も大宴会をしたとのこと。手引きなんか必要ないくらいの江ノ島通なのでした。
青銅の鳥居をくぐると、美波ちゃんが写真を撮ってくれました。美波ちゃんは小学三年生なのに、逆光という言葉を知っていて、もちろん状況も知っていて、カメラの調節もするのです。さらに後で気がつくことになるのですが、写真を写す時に構図なんかも考えているらしいのです。美波ちゃんの写真は、なにを写したいのかがはっきりとわかるのです。美波ちゃんが切り取った風景の中の中心がわかり、それを選んだという意志がわかるので、すごいなあと思ったのでした。


これは古いポスト。ほら、字が反対に書いてあるでしょ。なるほど。横で、ご隠居が杖を購入。さらに、膝にサポーターをまく。サポーターの上下がわからず、むーんむーんと苦悩するご隠居を見ていたら、観察しているんでしょ、書くんでしょと言われる。今更いわれたくない「籐十郎の恋」である。もう、白い股引の具合から見ちゃうものね。当然、書いておきました。股引は白です。青子さんの一言で上下が決まる。太い方が上!

まっすぐ参道を上り、エスカーに乗る。エスカーというのはエスカレーターで、3回セットで途中に八坂神社があり、中津宮がありで、そのたびに少し歩くのです。それはちょっと痛々しい。猫がけだるそうに見上げる中、痛いでしょ、痛くない、痛いでしょ、痛くない、をかけ声に進む。
エスカーの終点から、すこし歩くと、右手に新しくなって「サムエル・コッキング苑」と名を変えた植物園が見えてくる。左手はガーデンパーラー。植え込みのあちこちに猫がいる。青っぱなを垂らしたやせた猫や、昼寝をじゃまされたのを告発するような目つきの猫とか。使い捨てのカイロが草の上に置いてあるのは、夜の寒さよけか。


突然、左手に海が見える。関東大震災の時、江ノ島にひびが入ってこんな入り江ができたとのこと(ご隠居談)。うわあ、すごいねと、一同海を見ているのに、ご隠居ポツリと「何にもないよ」の一言。なにもないとは水平線の向こうになにも見えないという意味で、景色としては物足りないということらしい・・・激しいブーイング。
「見えないけれど、アメリカがあります」と若旦那。「いいのか、作家の発言か」とすりきれも激して食い下がる。青子さんはさすがである、「富士山とか、半島とか、ないものね」と軽くかわして。美波ちゃんのどうだといわんばかりの激写によって、証拠が提示されました。これがなににもない景色かと、私は今も激しく詰め寄りたい。

さて、今回の大きな目的の一つが、昼食の場所となり、宴会の場所になるかも知れない大切な場所の下見を兼ねた試食である。さらに、若旦那は帰りにご隠居を背負うことを考えて、エネルギーの補給が必要である。
「魚見亭」という店にはいる。
こういう事は直ぐ決まってしまうのが、今回の下見のメンバーの良いところかもしれない。
いい感じの店である。
「ああこういうのがいい景色です」
御隠居すすっと窓辺へ。

「ほら、あれが大山かな、こっちが箱根の山ね。茅ヶ崎はあの辺りで、ふむふむふむ」
水脈を引く舟の通りかかって、美波ちゃん静かに撮影。

さらに魚見亭に訊けば、昼食後にたらたらしていてもいいとのことである。
「句会をしましょうか、すりきれさん」
ご隠居の顔が崩れている。人相が変わるほど喜んでいる。
若旦那はお茶でむせながら「くっ、くっ、句会ですかあ」とごぼごぼ息の音がする。
「だってせっかく来て頂くのに、アトラクションが必要じゃないかしら、ねっ」
ご隠居は箸袋を短冊に見立てて、握りしめている。
「考えてみます・・・」
注文したなましらす丼と蟹みそ汁のセットを食する。海は凪いでいて確かに詩心をくすぐる。なましらすもうまい。味覚と視覚から揺すぶられて、ビールもうまい。何にも考えられなくなる。なるほど、あれが丹沢かあ・・・

その後、正気に戻った各自、多忙につき、ばたばたと東参道を下って駐車場へ向かう。句会の件はわやわやになったままで、まあ、行き当たりばったり説が心を占める。何せ「初詣」と記念撮影が大切。それに、今回の下見では行かれなかったけれど、稚児ヶ淵という所は風光明媚で、第一岩屋や第二岩屋という洞窟も怪しく待ちかまえているらしく、恋人の丘と名付けられたところは、鍵をかけてくると恋が逃げないらしく、どういう具合に鍵をかけるのか不明だけれど、チャレンジしてみたいものだと思ったりもしている。
なにせ、最大の関門は御隠居の膝であります。
若旦那は足腰を鍛えて、御隠居を背負う覚悟でおりますが、日頃軟弱な文学青年のことゆえ、心意気は感謝するけれど、曲がり角とかでぽろんと落としちゃうんじゃないかという色濃い疑いが。ならば室内アトラクションにするが良策か・・・なれど句会を告知すれば出足はいかがなものか。でもさあ、文学を志す諸氏諸先輩さらに後輩たちは(年齢だけだからね基準は)句会にめげてはいけないよお。何事も経験と挑まなくては。じゃあさあ、志さない人はどうするのかというご質問には、志さない人も人生はチャレンジだし、恥の登り階段こそが私小説の王道なんだから・・・あれっ、なんか歪んだわ。

駐車場から見上げれば、江ノ島は挑むのよの言葉を優しく受け止めて、待ってるからねとさらさらと木々を揺らしたのでした。

というわけで、アトラクションは決まったような決まらないような、行き当たりばったりの雰囲気濃厚なれど、江ノ島は凪いでいて、波は高くない。願うは御隠居の膝のこと。みんなで、奥津宮で、膝のこともお祈りしましょう。では、当日にお目にかかれることを楽しみに。

宮原昭夫ホームページ主催
 「長屋の初詣」詳細決まる!

●日時 2005年1月10日 正午集合

○晴天曇天小雨も決行
もう天気がわかんなくなっちゃった人は、あわてず、当日すりきれのケイタイへ。参加申し込み後にお知らせします。

●場所 江ノ島サムエル・コッキング苑(旧植物園)入口前の広場

江ノ島の上の方にあるのね。エスカレーターに乗ったりしながらぶらぶらと来ると、青銅の鳥居から30分もせずに着きます。

●で、どうする「初詣」

詣でる場所は「奥津宮」。その後「魚見亭」にて昼食。あとは、当日のお楽しみ。

●ででで、申し込みは下記へ。締め切りは1月5日です。でも、前日までは変更がきくので、大丈夫。行きたくなったら、すぐ、メール。

メール
byすりきれ


12月16日

こうご期待!
 
2005年1月10日




わいわいがやがや
「長屋の初詣」


ぞろぞろと長屋の連中がうちそろい
  江ノ島の弁天様で今年一年の無事と金運を祈る
  (健筆も・・・)


ご隠居を先頭にみんなで行きましょう、江ノ島巡り
詳しく決まり次第ご案内申します

どうぞ
1月10日は予定を開けておいてください

そして
行きたい人は「行くっ!」とメールをください

メール


 

 


12月6日


短編集『文芸誌「そして」にかかわった作家たち』NO.2

そして企画から待望の短編集『文芸誌「そして」にかかわった作家たち』のNO.2が発行されました。発売元は冬花社。本体価格1500円+税。




宮原昭夫さんの書きおろし短編「なぁんだ」をはじめ、恋文でおなじみの面々が書いてい
ます。ハンドルネーム薄さんこと小城伊津子さん、添田ひろみ、永井蘭子さん、そしてす
りきれこと、私万リーも末席に座っております。表紙には宮原青子さんの美しい絵があり
ます。
販売はこちらです。

 



バックナンバー

「うたごえ喫茶復刻版 猫の目俳句色紙展」(`04年10月)

「月光の夏を見てすいとんを食べよう」(`04年8月)

「江ノ島水族館 吟行」(`04年7月)

山本洋さんファーストコンサート(`04年3月)

毎日新聞夕刊(`04年2月)

「猫の目俳句色紙展」報告(`04年2月)

短篇集 文芸誌「そして」にかかわった作家たち2(`04年1月)

ご隠居長屋の鎌倉吟行(`03年12月)

短篇集 文芸誌「そして」にかかわった作家たち(`03年12月)



バックナンバー

炎の対決! ゴーヤチャンプルバトル(`03年9月)

終戦60年を前に“すいとんを食べながら語りましょう”会(`03年8月)

少年少女は見た「横浜の疎開と空襲」展(`03年8月)

花火見物 文成丸にて(`03年7月)

沖縄ゴーゴー(`03年6月)

そして始まり そして終わった(`03年3月)

ご隠居学の遊びの現場(`03年2月)



バックナンバー

『搖年記』を歩く(`02年12月)

ご隠居のランチ(`02年11月)

実録「せんせいのカバン」(`02年11月)

ご隠居とうたごえ喫茶(`02年10月)


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