話題あれこれ 2003年12月〜




10月11日
「うたごえ喫茶 復刻版 猫の目俳句色紙展」

●クリックすると画像が拡大して、記事を読むことができます。↓

「猫の目俳句会色紙展」の中〆パーティにあめさんが行ってくださいました。 
  そして、色紙を激写してくださいました。ケイタイのカメラなので、あめさんの腕の良さがわかります。 
    ●クリックすると、あめさんが激写した色紙が閲覧できます。↓

    http://www001.upp.so-net.ne.jp/muse21/nekonome/haikuten.htm

まだ、まだ、「猫の目俳句会色紙展」は開催しておりますので、どうぞ、お立ち寄りください。







当日の模様は編集後記をご覧下さい

 

8月15日
「月光の夏を見てすいとんを食べよう」





当日の模様は編集後記をご覧下さい

7月25日

「江ノ島水族館 吟行」



 7月4日、日曜日、長屋の吟行句会が催されました。場所は
あこがれの江ノ島水族館。堀口みゆき宗匠のもと、ご隠居はじ
め長屋の9名と写真担当者1名の総勢11名の吟行となりまし
た。                          
 集合は午前11時に水族館入口辺り。いったん解散して各自
見学。黙々と書き留める人、指を折る人。ただただわあわあと
 奇声をあげる人。すごいすごいとため息をつく人、とそれぞれ。
しかし、どうやら、みんなしっかり観察していたようで、それ
は後の句会で明らかになるのです。            

 ここで、水族館の様子をすこし紹介します。今回の江ノ島水
族館吟行の楽しみのひとつに、「クラゲ」を見に行くというも
のがあります。この水族館はクラゲがすごいのです。    
 







 

 

 

 

 

 

 さらに、チンアナゴやタコも。海草の林や、珊瑚の腰掛け、
エイや鰺もぐるぐる回っておりました。          
 

 

 

 

 

 (編集後記で、さらにおかしくも愉しい水族館の様子を紹介
いたします)                      


 12時半に再び集合して、句会会場「しおさいセンター」に
移動。そこで、昼食。途中参加の秋山参森さんと合流。秋山さ
んはご都合で江ノ島水族館へは行かれなかったので、ハンディ
がついてしまいましたが、そこは大先輩のこと、俳句の心と眼
力発揮。午後2時半に、ひとり五句の出句を締め切りました。
                            
 堀口みゆきさんの丁寧な講評をいただきながらの句会は、五
 時を過ぎてまだすこし残っており、場所を「しおさいセンター」
のふれあい広場に移し、無事完了。愉しいくも苦しい句会の模
様です。                        
 

 
 愉しいときのお顔と雰囲気。

 

 
 苦しいときのお顔と雰囲気。

 写真班の通称ダーリンと目崎芽笹さん、小城薄さんがタイム
アウトでご帰宅なさいましたが、残る8名はその後、潮風の中
をぶらぶらと二次会会場に移り、飲食を楽しみつつ、さらに「
二次会句会」へ突入いたしました。            
 こちらは、飲食が進んで、後日、俳句に腑に落ちない点も見
つかりましたが、なにせ、愉しいんだからしょうがない。もう
飲む飲む飲む、作る作る作る。夜もとっぷり暮れて解散する頃
には、潮騒が子守歌のように聞こえて難儀しました。    

 というわけで、句会は二回とあいなりました。日に二回の句
会というゴージャスな一日だったのです。         

 では句会の成果をご報告申し上げます。         








《堀口みゆきさんの講評》                

 さすが、小説家、コピーライター等、文筆に携わる方達の集
団と思いました。                    
 初めての吟行の方も、普段、連句で鍛えているだけあって仲
々の出来。皆様の感性はすばらしい!           

【吟行俳句】                      

 ほの明かりまっさかさまに海月たち  宮原西北     
 薄暗い水族館に漂う鮮やかな海月の群。「まっさかさまに」
という表現により情景がくっきりと見えてきます。海月たちが
「達」なのか「発ち」なのか間違いやすい。        

 ミズクラゲ星の如くに降りそそぎ   両角貴子     
 海月の集団を見ていると、夢の世界にいるようです。星の形
のクラゲもいましたネ。                 
 ポエジーが漂ようような作品。             

 海へびはしなやかに夏帯ほどく    添田鬼灯     
 人間と海へびが混然一体となっているようにみえてきます。
俳句表現における擬人化は、難しいので避けた方がよいのです
が、この句の場合成功していますね。海へびを凝視した強さ。
情感があります。                    

 私のたましひはどれ蒼水母      目崎芽笹     
 蒼水母の漂うさまは、この世のものとは思えない。    
 四次元の世界にいる錯覚におそわれる。同じような形をした
いくつもの蒼い水母。                  
 そのどこかに自分の魂も漂っている気分になってきます。 

 至福なり海月脳味噌透き通る     宮原西北     
 海月って脳味噌ありましたっけ? あるような、ないような
感じをうまく捉えたと思います。このように書かれると本当に
脳味噌があるような気になってきます。          

 砂日傘眠る子の足ぴくとゆれ     小城薄      
 親に連れられて浜辺の砂日傘の下で熟睡している子。足がぴ
くと動いたという作者の確かな目。            

 砂時計落ちて一人の夏来る      篠原風子     
 今までは周囲に誰かがいた。だがこの夏は、自分だけしかい
ない……。                       
 砂時計が過ぎ去った日々を表現し、叙情的で好きな句。「一
人の夏来る」ということで、しばしの孤独を楽しむ感じもあり
ますね。                        

【二次会俳句】                     

 気の抜けたワインに似たる夏の床   両角鹿彦     
 季節感をよく捉えていると思います。冬の床はしっかりした
ワインに似ているのでしょうね。             

 夏すぎてそげたる貌に魅せられぬ   秋山参森     
 席題が入っていないのに気がつきました。そげたる貌という
のは、日焼の顔がだんだん白くなったということなのでしょう
か。そげるという表現には、一考あるかもしれませんが、魅せ
られぬという言葉にひかれました。            

 夾竹桃まだ熱くある骨を抱く     川口白舟     
 大切な人を失った。ぬくもりの残るその骨壺を抱いていると
まだ生きているような感じがする。気がつくと夾竹桃が咲いて
いる。思い出の花なのかもしれない。小説の一シーンのようで
すね。                         

 上記の講評は、後日お願いしまして、堀口みゆきさんにホー
ムページ用にまとめていただいたものです。当日は、もっとた
っぷりお話し頂きましたのに、記録係が記録を忘れて句会に溺
れてしまいました(私です)。しかし、参加者の胸の中には、
みゆきさんにひとつひとつ丁寧に講評して頂いたものが、大切
に仕舞われていることと思います。            
 堀口みゆきさん、長屋の皆様、ありがとうございました。と
くに、今回は写真にご協力頂きました通称ダーリン、ありがと
うございました。                    
                     報告 すりきれ






3月28日
山本洋さん ファーストコンサート






山本洋さんは、連句や話題あれこれなど当ホームページにしば
しばご登場いただいる方です。コンサートについて詳細は、 
「山本洋のホームページ」へお問い合わせください。    






2月11日
毎日新聞夕刊 2004年2月4日
画像をクリックすると大きくご覧いただけます。






2月12日
「猫の目俳句色紙展」報告


  1月5日〜2月21日まで、辻堂の軽食・喫茶「ラ・メール」
にて開催中の「猫の目俳句色紙展」。2月8日には小さなパー
 ティが開かれるということで、取材をかねておじゃましました。
二十人ほどの集まりで、猫の目俳句会にふさわしい楽しい趣向
も用意されていて、パーティは盛会のうちに幕を閉じました。
 楽しい趣向の様子と、俳句色紙を写真に撮らせていただきま
したので、ご紹介いたします。まずは、「猫の目俳句色紙展」
の紹介をします。

 この色紙展を主催した「猫の目連句会」は、評論家ゆりはじ
 めさんの書斎「狸狸庵」で開かれた1987年の年忘れの連句会に、
コラムニストの故青木雨彦さんが参加し、画家田口雅巳さんと
ご隠居こと宮原昭夫さんの4人で結成された連句会の名前なの
です。メンバーは4人。男性だけ。青木雨彦さんが日経産業新
 聞に「オフへの誘い」という題のコラムの中で「猫の目連句会」
のことを書かれていたので、一部をご紹介します。

「だだ花鳥風月を愛でるだけではつまらない」
 というので、何年か前から気のおけない連中が月に一遍か二
カ月に一遍、横浜の菊名に集まって、連句の会を開くことにし
た。もとより傍らに酒を置いての遊興だ。(略)・・みんな五
十歳を過ぎた ゛おじん゛だけれど、連句の心得のあるのは狸
狸庵ひとり。いちいち                  
「おい、月の定座は何句目だっけ?」           
 とやりながら、指折り数えている。           
                            
 その青木雨彦がなくなられて久しい。昨年末から、新メンバ
ーに俳人の堀口みゆきさんを加えて、男ばかりではなくなった
「猫の目連句会」。その新メンバーによる俳句の色紙展なので
した。色紙に書かれたそれぞけの句に、田口雅巳さんの絵が添
えられ、あるいは爆発していて、とてもすごいことになってい
たのでした。                      





  一通り参加者の紹介や主催者の紹介がすんで乾杯も終えると、
 ざっと見てもらうだけでは気がすまない主催者の深い想いから、
全員で展示してある俳句に七七の付け句を作ってくださいとの
提案が出されました。季節は冬と、季語も入れなくてはなりま
 せん。寝耳に水の方々も、季語集を肌身離さず持ち歩く方々も、
短冊を持って真剣に色紙を見つめるのでした。そして、ゆりは
じめさんのもとへぞくぞくと短冊は集められました。    

 選ばれた句は、堀口みゆきさんの筆で紙に書かれました。 

 そして、田口雅巳さんによってひとつずつ読み上げられまし
た。                          

 それはこのように壁に貼られて、少しそよいだりしました。
ので、ぶれてしまいました。               

 さらに、ひとつが選ばれて、それに今度は575を付けると
いうことになりました。                 
                            
散らばりし歌留多の中の恋の歌     みゆき      
 懐手して行ったり来たり       すず子      
古書店を出でて残りを数えをり     参 森      
                            
 出来上がった句です。楽しいけれど息詰まるようなパーティ
は無事に終わりました。帰り道、大きな丸い月がまるで屋根に
届くように低くのぼっていました。ご隠居はいつもの自転車に
乗ってゆらゆらと帰って行かれました。          
 「猫の目俳句色紙展」は2月21日まで開催されています。
色紙の販売も行っています。どうぞお立ち寄り下さい。   
                   (報告 すりきれ)









1月20日
短篇集 文芸誌「そして」にかかわった作家たち 2




東京新聞 2003年1月8日



『短篇集 文芸誌「そして」にかかわった作家たち』については、
話題あれこれ2003年12月をご覧ください。        









12月26日
ご隠居長屋の鎌倉吟行






堀口みゆき評

 枯芝の墓域にひとつベビーカー  西北

 光明寺の境内での光景が鮮やかに浮かびます。人生を象徴し
ているかのような枯芝の墓域とベビーカーの取り合せ。小説家
の俳句にはストーリー性があると思いました。俳人はひとつと
いう言葉を省略することが多いのでこの辺り、小説との違いを
感じました。

 落葉掻き済み竹箒みな逆さ    西北

 全体によくまとまっていて頂戴した句ですが、気になった点
                     は、落葉掻き済みまで言わなくてもよいのではないか、又竹箒
 ではないとり合せの方がおもしろいのではないかと思いました。
材料として俳句の世界ではかなり使い古されています。

 色鳥や池の端には丸き石     白舟

 光明寺の蓮池でしょうか。情景が浮かび、俳句の型も決まっ
ていると思いました。色鳥との配合もよく、まとまりすぎてい
る感がありますので、もっと冒険をしてもよいのでは?

 毒色のそり返りたる冬の屋根   白舟

 毒色という表現がおもしろいという意見と、毒色が曖昧とい
う意見に分れる作品だと思います。現代詩の表現としては毒色
が許されると思いますが、俳句の場合、はっきりとした色を出
した方がいいのでは? 緑青色の寺の屋根を私も見ました。 

 大空に枝差し入れし冬けやき    薄

 大空と冬けやきだけで成り立つ句。枝差し入れしは散文的に
なってしまう。                     

 手洗鉢護布色あせて水澄みし    薄

  小説家は、細かいところまでしっかり見て丁寧に書きますね。
俳句もしっかり描写することは必要です。水澄みしという季語
は自然界の水が澄んでいる感じを表すので、鉢のような狭い場
所のたまり水ではないので、この句の場合、水澄みしという季
語が生きてこないと思います。              

 晩秋の足元みつむ測量士     鬼灯

 この句からは心象風景といったものも感じられます。その反
    面、物足りなさを感じるのはなぜ? 晩秋を晩秋と切字を
入れるか、例えば植物などはっきりとした季語を入れた方が、
回りの情景がみえてくるのではないでしょうか?      

 冬寺に離れて一つ人形塚     鬼灯

  心魅かれた句でしたが、少し説明的になっています。冬寺か、
人形塚のどちらかに焦点を絞って描写した方がよいのでは? 

 冬寺の猫一匹と対峙せり     芽笹

 対峙せりの表現に少し固い感じを受けますが、素直な句です
ね。目の合へり位でよいのでは?(唯、この言い回しは類想が
多いと思いますが・・・) なお、表現方法として一匹と言わ
ないで「冬紅葉などの季語」+「中七」+「寺の猫」と置く方
法もありますので、季語の使い方や組み合わせの順序を考えて
もいいのではないかと思います。             

 古の道に一群石蕗の花      芽笹

 吟行の場合、特に他の人と違った視点からユニークな見方、
表現をした方がよいと思います。古の道などと言わず、石蕗の
花だけで道や庭に咲いていることがわかるので、別の素材を盛
り込み、石蕗の花とした方が、豊かな内容になると思います。








堀口みゆき評                      

 全体として吟行のあと場所を移して作ったテーマ吟の方が、
おもしろかった。殆どの句に魅かれました。        

 煮凝りの震へて朱き唇に入る   西北

 さすが小説家の作品、どきりとしました。        

 約束のない休日のセロリ噛む   鬼灯
 
  アンニュイな休日の気分が漂っていて、新鮮な気がしました。
とても好きな句です。                  

 冬深し光の中の置き手紙      薄

 映画の一シーンの様。ドラマチックで魅力的。      

 冬の草剣のごとく光ふり     白秋

 感覚の鋭さ、冴えがあります。ユニークな発想ですね。  

 午後二時の光集めて銀杏散る   芽笹

  午後二時は微妙な時間。この句の場合、銀杏散る時刻として、
ふさわしいかもしれない。感覚的な作品だと思いました。  








12月22日
短篇集 文芸誌「そして」にかかわった作家たち




 「短篇集 文芸誌「そして」にかかわった作家たち」という
長いタイトルの本が出ました。        (すりきれ)
                            
 企画編集は「そして企画」。発行は「本の風景社」で、発売
は「ブッキング」。オンデマンド出版である。       
http://www.book-ing.co.jp/
定価1800円+税。送料別途。221頁でソフトカバー。 
                            
 まずタイトルの文芸誌「そして」というのを説明しなければ
話しは始まらないと思う。                
 「そして」は、1996年に創刊され、2002年3月に1
3号をもって休刊となった文芸誌である。自主講座横浜文学学
校で学び、大手出版社の新人賞を取った若い書き手たちが小説
 を発表した。作家宮原昭夫氏が「小説・私の方法」を連載した。
「そして企画」が行っていた添削の優秀作品が載った。そして、
 宮原昭夫氏と三木卓氏の両名が審査員となり、「そして文学賞」
を設立し、新しい書き手を広く蒐集した。そういう雑誌であっ
たが、志高くしてもなお出版を維持出来ず、「そして」は4年
で休刊となった。                    
                            
 「短篇集 文芸誌「そして」にかかわった作家たち」という
本は、それからほぼ2年の歳月を過ごしたあのときの書き手た
ちの今の足跡である。といっても、無論全員ではない。4年と
いう歳月と13号という雑誌には多くの書き手がかかわってき
たのである。今回は10名が作品を出した。        
 少し書き手の紹介をしたい。              
 作品は9編の短編小説と本多順子氏の短歌からなる。   
 9編の短編小説の書き手は、石沢千鶴子、杉本英孝、添田ひ
ろみ、中川由布子、万リー、伏本和代、宮原昭夫、柳涼佳、山
本洋の各氏で、編集長は山本洋氏が務めた。        
                            
 中川由布子氏と伏本和代氏は河出書房新社からそれぞれ短編
小説集を、宮原昭夫氏は「書く人はここで躓く」と長編小説「
シジフォスの勲章」を河出書房新社より、この2年の間に出版
している。また、山本洋氏はオンデマンドで短編集を出版し、
万リーは共著を自家出版した。また、たゆまず書き続けてきた
ものたちである。この2年はそういう年月であった。    
                            
 この本はオンデマンド出版なので、在庫はどこにもない。イ
 ンターネットで申し込んで初めて活字となり本となる。いわば、
陣痛途中のままである。まだ誕生していない本なのだ。そうい
うことも不思議でならない。本はどこから本になっていくのだ
ろうか。ということを考えさせられながら、ぜひにとお薦めす
る一冊である。                     
                            
 申し込み方法は下記に                 
http://www.rakuten.co.jp/book-ing/402373/
                            
                            


                            
 【そして、作品集の出来上がるまで】   編集長 山本洋
                            
 1996年に創刊された文芸誌「そして」は13号をもって
休刊となり、「そして」に関わった作家たちが、これからの創
 作活動の足がかりにしようと、オンデマンド「文芸誌『そして』
にかかわった作家たち」という作品集の企画が提案されたのは
忘年会での席での元「文芸」編集長福島紀幸氏の発案だった。
オンデマンドなら、できるかもしれないと編集委員たちは思っ
た。なぜなら、オンデマンドは、在庫を一切抱えることのない
電脳空間の出版物だからだ。一般の出版物は余程売れない限り
は、発売後しばらくすると、在庫の保管が困難で、裁断されて
しまうという。その点オンデマンドは出版社の持つコンピュー
タのハードの中に本が入っていて、いつでも注文冊数だけ作る
ことができる。また、校正も楽であることから、これから伸び
ていきそうだ。編集会議がもたれ、タイトル、内容、の確認と
仕事分担が決まった。原稿集めから始まり、原稿は「そして」
編集部の力量で、予定通り? 集まった。さて、編集という段
になって、掲載順序を決めていないことに気付いた。当然、本
多順子氏の短歌はトップかラストということになるだろう。そ
して、巻頭は宮原昭夫氏の「二輪」が飾るのだろうと思った。
しかし、あに図らんや。編集部の中で意見が割れた。編集部以
外からも意見が寄せられたが、結局それなら、アイウエオ順に
しようということになった。(これは、作品を載せる作家は作
品が小説であれ短歌であれ、みんなフラットであるべきだとい
う発想による。)「そして」の編集の時から、掲載順について
はいつも編集部の顔つきがシリアスになる。これは編集部と作
家が一緒だということから来る悲劇だと思う。アイウエオ順で
は本の顔が見えないのは分かってはいるのだが……。    
 オンデマンド「文芸誌『そして』にかかわった作家たち」は
 こうして、出来上がった。形になってみると「文芸誌『そして』
にかかわった作家たち」がどんな風にこれからの活動をしてい
くかの予感のようなものが見えてくる。文芸誌「そして」は形
は変わったが、水脈をこんな風に繋いでいる。       


閉じる