連句「寒明けや」の巻 横丁のご隠居宮原昭夫公式サイト
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秋には巻きましょうとお約束の秋も過ぎ、冬が立ってしまいました。
今回は、捌き手に孤高(?)の俳人上川屁散人さんをいただき、屁散人宅、屁見庵にて巻きました。
集合は午前9時に逸見駅改札。
なんでこんなに早くから・・・ご不便とご不満を頂きましたが、それには深いわけがありそで、ない。ただ、屁見庵には暖房がないというその一点の理由から。
暗くなるとものすごく寒いから、明るいうちに巻き上げてしまいましょう、という魂胆。
集合時間に遅れると、たどり着けないという緊張感から、時間厳守・・・出来るところがすごい。
今回は、飲食はもちろん、防寒も自主管理という厳しい条件のため、手荷物も多く、風子さんに至ってはおでん鍋を抱えている始末。芽笹さんは、ぱっつんぱっつんに膨れたリュックを背負って。西北さんは毛糸の帽子。エイリアン氏はなんか爽やか。
わっせわっせと階段を上がると、そこには夏の嵐の爪痕も残る、特に崖ね、屁見庵が。
エイリアン氏いわく、もっとすごいかと思った・・・りっぱなお宅じゃありませんか。
すりきれ応えて、でも、なんか浮いてるでしょ、地面から・・・。

今回は、女子は風子、芽笹、松子ことすりきれの3名。男子は、屁散人、西北、エイリアン、犬客の4名。合わせて7名の参加。
まず、腹ごしらえをして。各自、座るやいなや、もう食べている。
腹をこしらえて、開始は11時近くに。
太陽が開け放たれた窓から降り注ぎ・・・なんで開け放たれているん?
屁散人は閉所恐怖症だと。たまげた一同、なぜここに住んでいるのじゃ、わいわい。
景色いいから、気持ちいいし、でも、高所恐怖症でもあるのね、と意味不明の回答に、一同理解不能。
遅れて到着の犬客は、罰として買い物を命じられて、再び町へ下山する。
途中忘れないように、メモを渡すなんて、牛乳もとか・・・追加もでて。
それが、重たいものばかりなのが涙を誘う。

窓をさっさと閉めて、炬燵組と、お膳組に別れて作句。
あのさあ、炬燵、暖かくないじゃん。炬燵組から、すぐに罵声が。
しぶしぶコードを差し込む屁散人。
表六句は粛々と。
ルールはいつもの、競い付けと膝送りの折衷案。選ばれた句を作った人は、しばしお休みが出来るというわけで、だらーんとした人と、追い詰められてぎゅっぎゅっとなった人が入り交じり、やわな根性では場に飲み込まれて頭真っ白になりかねない。
真っ白の人は、全部ひらがなで書いたりして、真っ白度を露わにして笑われる。
笑われたのは松子で、厳しく指摘したのはエイリアン氏、ぶーう。
屁散人は、携帯の時計を操り、みんなを苦しめ、締切締切と容赦ない。
だらーんとした人はマグロのように横になり、食べ過ぎた腹を日に干している。
味噌汁飲みたい・・・日に充分に干した腹をさすりながら、犬客の口から信じられない言葉が。風子さん手早い。なんと、西北さんもエイリアン氏も味噌汁啜っているじゃありませんか。
昔は、こういうふうにだらだらと巻いたものなのね・・・西北さんとエイリアン氏。
ほんとかいな。ただひとり、ペース乱さず、凜として作句を続ける芽笹さんの辺りには、清らかな風が。
寒くない、寒かったら、これ着てね。優しい声に、松子号泣。
だいじょうぶ、肉布団重ねてきたから、暴泣。

途中、事件一つ。犬客、水色縁なし老眼鏡踏み抜き事件であります。
これは、とても、哀しい出来事でした。音が、ぶきっぶきぶきぶきっ、でありました。
水色縁なし老眼鏡は松子のであります。あまりに悲惨なため、途中は省略しますが、普通だったら、ぶきっの時に足を止めるはずです。そこが、謎なのです。犬客は屁散人の携帯ストラップと間違えたと言い張りますが、信じられないのは私だけでしようか。

さて、今回は特にまったりと巻きました。まったり感が現れているかもしれません。
すごく遊んだ感じです。なにせ、食堂の中で巻いたようなものだからです。風子さんにはお手数をおかけしました。甘えて、わがまま放題の男子組はほんにあかん。そういう甘えは、自宅でするべし。へっへっへ、へらへらへら、と犬客は笑うのでした。

ちょっと付け足すと、屁見庵にはすごくいいウッドベースがありまして、持ち主は屁散人なのですが、屁散人は弾く事が出来ないので、ただの宝の持ち腐れなのでしたが、エイリアン氏はなんとなんとのベーシスト。ボロンボロンと奏でていただき、わあーい、今度はみんなでセッションが出来るかもと喜びました。西北さんは、パーカッションで参加ですな。不純な心がムクムクします。
楽しみは広がり、次は来年そうそうにと、はやる心をなだめて、解散は9時頃。
やっぱり、何時に始めても、終わりは一緒ねと・・・なんとなく納得の一同でした。


報告すりきれ

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